手が心を包む困難を乗り越えて
美しい生き方を取り戻そうと願うすべての人々を
よろこびへと導きたい
エステティックを通じて心を解放する
ソシオエステティック
エステティックのあたらしいカタチです

活動領域

ソシオエステティシャンは、さまざまな機関・施設で活動していきます。

まだ日本では歴史が短い活動ですが、その意義と効果は徐々に浸透しつつあり、さまざまな機関や施設で採用され、信頼と支持を得ています。

介護老人保健施設

施術の中で好評だったのはマニキュアです。メイクは鏡でしか見られませんが、マニキュアはご自身の目で常に「綺麗」を確認できます。剥げかかったマニキュアを「もう落としましょうか?」とお聞きすると「まだ、いいわ」と断られたことも。その方は当初、「ずっと働いて化粧なんてしたことがないからイヤだわ」と言っていた方でした。また、エステティシャンとのお喋りも好評で、肌で相手の体温を感じながら交わされる和やかな会話には、どんな高級化粧品にも入っていないスペシャルエキスが配合されているようです。

精神科病棟

毎日、何の変化もなく、時間の過ぎて行く中で、ソシオエステティックを受けることはよい刺激になり、生活に変化が出てくるようです。どの患者様も、次のソシオエステティックを心待ちにしています。思い通りにならないことがあって聞き分けのないときなど、エステティックの話で会話を切り替え、患者様の気分を変えることができます。


デイサ-ビス

デイサ-ビスでは、定期的にソシオエステティックを実施。なかなか普段はなさらないお化粧やネイルがとても好評でした。中には、「7年ぶりにお化粧をしたわ。これからは口紅くらい自分でつけようかしら。」という方も。利用者の皆さんは、照れながらもとてもうれしそうにしている姿が印象的で、施設内が華やかに明るくなりました。

緩和ケア病棟

緩和ケア病棟で試験的に導入。月1回のテストコースを実施。ご利用いただいた患者さんからは、「1日でも早く、病院を出たい。」という前向きな気持ちになれたという評価を得ることができました。また、ご本人以上に、付き添いのご家族の方から、生きる意欲と生気に満ちた表情を取り戻せてよかったという反応が寄せられています。

施設での活動

ソシオエステティシャンの活動とともに、よろこびの輪が広がっています。

高齢者介護施設

94歳女性は、「今日はお顔のマッサージをしましょうね」とお声がけをしたら、「わたしは皮膚が負け易いからあまりしないけど、あなただったら今日は何でもしていいよ!」と笑顔で言われました。メイクが終了してから手鏡を見せると「わぁーきれいになって、私じゃないみたい!」となかなか鏡を手放さない。「べっぴんさんになってうれしいよー」と大はしゃぎでした。そのうえ、他の人が出来上がってきれいになると、「きれいになったよ!」とそれぞれの人に声をかけて褒めてらした。このように、認知症の進んだ人たちでも、ソシオエステティックのケアが、ただ美しくしたり癒すことだけに留まらず、その行為が精神面に作用し、幸福感を見出し、自分を取り戻したりすることがあります。そのたびに、自分の仕事の価値を再認識しています。

緩和ケア病棟

55歳女性。この方は、緩和ケア病棟に入院されている方で、身体症状としては癌末期で、リンパ液滞留による浮腫の増大に関連した慢性疼痛で苦しまれていました。まず下肢の浮腫の緩和のため、アロマオイルを使用してゆっくりとマッサージを行ないました。施術中、「あ~、気持ちいい」と何度も繰り返し言われ、施術後には「わぁ~足が軽くなった!すごく楽だわ」と急に笑顔になり、「あなたの手は暖かくてとても気持ちいいわ。今日から、もっと食事を食べるようにするわね!」と言われました。最後に、「明日転院するからもう会えないけど、あなたのことは一生絶対忘れないわ!」と笑顔で手を握られました。ターミナル期の緩和ケア病棟では、同じ患者さまに次回も会えることは少ないと思います。だからこそ、その日の施術や会話など、一瞬一瞬に全神経を集中して行なうようにし、短い触れ合いの中で心の支えとなり、笑顔を取り戻してもらい「いのちのひかり」を輝かせていただけるように全身全霊を傾けて対応しています。その方の人生の最後のキャンパスに、その瞬間でも一筆の色を添えるという関わりに毎回、感謝しています。

生活訓練施設・グループホーム

摂食障害の30代女性。エステの部屋に入ってくるなり、「私はこんな所にいるけど、普通に働いているの。」と言われ、その言葉と語調からは、施設で生活していることへの「抵抗感」を感じました。施術中は穏やかで、おしゃれや恋愛の話をする普通の若い女性というイメージで、一般のお客様のようです。お話からは、美に対する欲求の大きさが感じられます。爪の甘皮をカッターナイフで削っているらしく、行き過ぎたお手入れになっているのは少し気になりました。後で施設スタッフから病名を聞き、状況が理解できました。彼女は、施設で生活をしていることに抵抗があり、スタッフとのコミュニケーションも避けているそうです。コミュニケーションの取りにくい方なので、施設スタッフからは施術中の話の内容が聞けたことは今後の対応に役立つと言われました。